尿道に細菌が進入し、感染を起こす病気やSTI(性感染症、いわゆる性病)の場合などがあります。
(a)腎盂腎炎
頻尿とともに、発熱、腰痛が見られます。重症になれば入院治療を要することも。結石、腫瘍などの合併症であることも多く、早めの受診をお願いします。
(b)膀胱炎
通常抗菌剤により数日で治癒します。ただし、再発を繰り返す方、男性で発症した方は、基礎疾患(もとになる病気)があることが多いので、要注意です。まずは腹部超音波検査、レントゲン検査などを行います。
(c)前立腺炎
高熱を伴い、排尿時の痛みや出にくさを症状とする急性前立腺炎、発熱はないものの軽い痛みや頻尿症状があり、尿によごれのある慢性細菌性前立腺炎は、抗菌剤による治療を要します。急性で、重症の場合は入院治療をお勧めする場合もあります。
下腹部から尿道、場合によりわき腹にわたる不快感、軽い痛みを伴う慢性非細菌性前立腺炎は、飲酒や睡眠不足、疲労によるうっ血の影響とも言われますが、、更年期障害症状とも併せ、少し良くなったり、また悪くなったりと繰り返されることがあります。
慢性前立腺炎の頻尿、尿意切迫感にPBトレーナーもお試しください。
(保険適応の器具ではありません。磁気パルスで骨盤底筋をトレーニングする器械です。当機器は医療機器ではありませんが、同一の体外磁気刺激技術(EXMITM)によるネオコントロール(米国仕様の器械です)は女性の腹圧性尿失禁や尿意切迫感、男性の前立腺癌手術後の尿失禁、慢性前立腺炎における会陰部痛などに効果があるとの報告がみられます。 )
(d)精巣上体炎
精巣(睾丸)の裏側にある精巣上体は、精巣から尿道への精子の通り道ですが、そこに感染を起こすと、赤くはれ上がり、高熱の元になります。抗菌剤の点滴や内服、その部を冷やして安静にすることが必要です。重症の場合、やはり入院治療を要します。
(e)亀頭包皮炎
小児に多く、包皮が赤く腫れ、おしっこのときに痛がります。抗菌剤を含んだステロイドクリームの塗布(場合により内服薬併用)で治ります。
(f)尿道炎
男性ではいわゆる「性行為感染症」です。淋菌、クラミジアが代表的ですが、いずれも最近は抗菌剤にききにくい菌が多く、日本性感染症学会などに集められた最新のデータを参考に、治療させていただきます。また、特にクラミジアは女性に感染すると激しい腹痛や、不妊の原因にもなり、男性でも前立腺炎、精巣上体炎の原因となるため、きっちりと(できればパートナーとともに)治療することが必要です。痛みを伴う検査は不要で、尿検査で診断されます。
また、男性の亀頭や包皮にカリフラワー状のイボができる「尖圭コンジローマ」は局所麻酔をしてイボを処置する方法が一般的でしたが、コンジローマに効果のあるクリーム剤も使用可能になりました。また、陰部に潰瘍や水泡が見られるヘルペスというものもあり、これはしばしば再発をくり返すため、注意深い観察が必要です。